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水素吸蔵合金の製造・販売

水素化マグネシウム(MgH2)の工業生産に成功!

 当社では、水素マグネシウム(MgH2)の工業生産方法の確立に世界で初めて成功致しました。 この水素吸蔵化合物は、Mg金属原子の隙間に水素原子を取り込み、必要に応じて取り出すことができます。

 MgH2は、安価で軽量、化学的にも安定であることから、水素を安全かつ経済的に貯蔵、輸送、供給することが可能です。

MgH2

既知の水素貯蔵物質の水素密度

既知の水素吸蔵物質と、水素吸蔵量の比較

 数多い水素吸蔵合金および水素吸蔵物質のなかで、MgH2は質量あたりの水素吸蔵量が 7.6 %(w/w)と多い。 また原料となるマグネシウム(Mg)は、地球上で8番目に豊富な元素(クラーク数が8)であることから入手が容易であり、優れた貯蔵材料といえます。

 

MgH2の水素発生メカニズム

 MgH2はその安定性から、水素の吸収・放出速度が遅く、水素の取り出し方法に改良が必要でした。 当社では加水分解を用いることで、MgH2からの水素取り出し効率を改善し、更に水に含まれる水素原子も利用することで、15.2 %(w/w)という高水準の水素発生量を実現いたしました。

MgH2 + 2H2O → Mg(OH)2 + 2H2

各水素貯蔵物質の水素密度

水素の体積密度の向上

圧縮:昇圧エネルギー大、液化密度以下、危険性大
冷却:冷却費用高、ボイル・オフによる損失大
吸蔵:常温常圧近辺での吸脱着は魅力的
各水素貯蔵物質の水素密度

既知吸蔵合金との比較

数多い水素吸蔵合金のなかにあって、MgH2は重量あたりの水素吸蔵量が 7.6 %(w/w)と多く、また原料となるマグネシウムは地球上で8番目に豊富な元素でもあることから、優れた貯蔵材料といえます。

(1)水素貯蔵量 7.6 %(w/w) → 高吸蔵率
(2)豊富な資源 → 安価
加水分解によるMgH2からの水素生成

MgH2はその安定性から水素吸収・放出速度が遅く、水素の取り出し方法に改良が必要でした。当社では、加水分解を用いることでこの問題を解決しました。さらに水に含まれる水素原子も利用することで、15.2 %(w/w)という高水準の水素発生量を実現いたしました。

 
 

加水分解による水素ガス生成

MgH2 + 2・H2O → Mg(OH)2 + 2・H2
水素生成率:最大15.2 %(w/w)、MgH2の水素貯蔵量の2倍 反応液中の水素原子も利用することで、MgH2に含まれる2倍の水素ガスの生成が可能

 
 
 
  国内のMg(OH)2の生産量は4~5万トン/年生産: 使用済みMg(OH)2はそのまま使用可能
 ①工業原料(合成ゴム、プラスチック、セラミックス等の添加剤)
 ②半導体機器の封止剤、難燃剤、土壌改良剤等に利用
炭酸ガスの固定; Mg(OH)2+CO2 → MgCO3+H2O
高純度マグネシア; Mg(OH)2 → MgO+H2O
 
 
 
  Mg(OH)2の完全リサイクルを目指して ⇒ 直流水素プラズマ還元法の開発  
 
 
 

MgH2を用いることで、一石三鳥

① MgH2からの水素放出温度の低下(290℃以上⇒100℃以下)
② 水に含まれる水素原子も利用することで、 最大15.2 %(w/w)の水素を生成可能
③ 使用済みMg(OH)2はそのまま使用可能、または高純度工業用原料としてリサイクル